ACTは、皆さまからのご寄付でアジアの発展途上国の人々の自立と発展を支援する公益信託です。
ACT(アクト)は、「公益信託アジア・コミュニティ・トラスト」(Asian Community Trust)の略称です。
日本で初めての「募金型公益信託」として、1979年に設立されました。
設立以来、日本の個人や法人の皆様の寄付金(信託金)をもとに、アジア15か国・地域で活動する290以上の現地NGO等が実施する貧困削減や格差是正を目的とした事業約800件を支援してきました。
これまでの支援総額は、約8億7,500万円にのぼります。(2021年3月末現在)
ACTのあゆみ
ACTの助成事業紹介
ACTが選ばれる理由①
民間による民間のための草の根活動を支援できます
ACTは、日本に約400件ある公益信託のひとつです。
公益信託とは、社会貢献を志す個人や法人からのご寄付を信託銀行等が管理・運用し、寄付者の立場に立って公益活動を行う仕組みです。
ACTでは、個人、グループや企業等の民間からのご寄付金(信託金)を、受託者である信託銀行4行が安全に管理・運用し、寄付者の思いにそって、専門家の助言とサポートのもと、アジアの現地民間公益団体(NGOなど)の活動に助成します。
この仕組みによって、多くの優良な草の根事業を支援することができます。
現地には、課題を抱える人々に寄り添った良い活動を行っていても、自力では資金集めが難しい団体が多くあります。ACTでは、成果の期待できる活動を発掘し、資金の一部を援助することによって、現地の人々が取り組む自国の課題解決や社会の変革を支援します。
なぜアジアの現地NGOの活動を支援?【クリックすると詳細な説明が表示されます】
アジアでは、現地NGOが優秀な人材を擁して基礎教育、保健医療、環境保全などの多岐にわたる分野で公益活動を展開し、大きな役割を果たしています。その数は、1か国あたり数百~数万団体あるといわれています。現地NGOを通じた援助形態は、欧米のドナー機関やNGOでは主流ですが、日本のNGOの間では一般的ではありません。ACTは、過去40年以上にわたり現地のNGOと連携して約800件もの事業を支援してきた、ユニークな存在です。
ACTがアジアの現地NGOと共に歩んできた40年の間に、かなりの数のNGOが規模を拡大し、社会開発の現場で存在感を増してきました。
フィリピンでは、ACTが80年代半ばに支援した「CARD(農業・農村開発センター)」が、現在では710万人以上(2020年11月時点)もの貧困女性にマイクロファイナンス(零細規模金融)のサービスを提供するようになりました。他にも、設立間もない時期にACTが支援した「ドゥアン・プラティープ財団」は、いまやタイ有数の市民組織として成長しています。また、フィリピン、インドネシアなどでは、かつてのNGOリーダーが政府の要職に就き、国づくりに大きな役割を担っています。
ACTでは、このようにアジアで大きな成果をあげている現地NGOや、今後の成長が期待できる現地NGOと協働することで、ご寄付をより効果的な形でアジアの現場に届け、現地の人々の自立や課題解決に貢献しています。
公益信託とは?【クリックすると詳細な説明が表示されます】
公益信託とは、社会貢献を志す個人や法人(委託者)が財産を一定の公益目的のために信託し、 受託者(信託銀行など)がその財産を管理・運用し、その目的を実現するよう任務を遂行する制度です。国際協力活動や環境保全などへの助成や奨学金の支給など、 幅広い分野で活用されています。公益信託は、みなさまの社会貢献のお志を、簡便に確かなかたちで実現できる仕組みです。
◎認定特定公益信託
ACTは、一定の要件を満たす公益性の高い公益信託として、 主務大臣(ACTの場合は外務大臣)の認定を受けた「認定特定公益信託」です。このため、ACTへのご寄付は、税制上の優遇措置の対象となります。
◎募金型公益信託
通常の公益信託では、設定された後に第三者から寄付を受ける例は多くありません。基金を設定した委託者(出損者)が積み増しでご寄付をすることができますが、事業費(助成金)や事務管理費などが支出されて委託金がなくなると、公益信託としての活動は終了します。
一方で、公益信託の中でも「募金型公益信託」と呼ばれるものは、広く一般から寄付を恒常的に受け付けることができ、中に複数の基金を設定できます。
ACTは「募金型公益信託」のひとつです。ACTには、支援したい国や分野を指定できる「特別基金」(1,000万円以上)と、金額を問わない「ご寄付」(ご寄付金はACT一般基金に入ります)のふたつのご寄付の方法があります。
ACTが選ばれる理由②
専門家のサポートと助言によって、優れた助成事業を発掘・決定します
ACTが支援する事業は、アジア開発途上諸国の民間公益団体(NGO等)から公募します。
助成事業の審査には、アジア諸国の情勢に精通した専門家グループ・運営委員会があたり、公募された事業の中から、助成事業を決定します。
知識や経験の豊富な体制を組むことによって、皆さまからのご寄付を有効に活用することができます。
ACTのしくみ
《ACTの対象国(アジアのDAC援助受取国)》
カンボジア、ネパール、バングラデシュ、東ティモール、ブータン、ミャンマー、モルディブ、ラオス、パキスタン、ベトナム、インド、インドネシア、スリランカ、タイ、中国、フィリピン、モンゴル、マレーシア。(「アジア」は外務省の分類に基づく)
ACTが選ばれる理由③
簡便な手続きで、「特別基金」を設定できます
1,000万円以上のご寄付の場合、支援したい国や分野を指定し、ご希望の名称を冠した「特別基金」を設定することができます。
政府関係機関との新しい折衝を必要としないため、受託者(信託銀行)との契約手続きにより、通常3~4か月で特別基金を設定することができます。
「特別基金」の設定の方法
ACTが選ばれる理由④
ご寄付金は信託銀行により安全に管理します
皆さまから頂いたご寄付金(信託金)は、公益信託に関する法律に基づき、受託者である信託銀行4行(三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、りそな銀行)が責任をもって管理・運営しますので、ご安心してお任せください。
また、ACT全体の資金の流れは、信託管理人が責任をもって監視します。
ACTのしくみ
ACTが選ばれる理由⑤
税制上の優遇措置が適用されます
ACTは「認定特定公益信託」の資格を付与されており、ご寄付・会費には税制上の優遇措置が適用されます(所得税・法人税・相続税の控除の対象となります)。
「認定特定公益信託」とは?【クリックすると詳細な説明が表示されます】
「認定特定公益信託」とは、一定の要件を満たす公益性の高い公益信託として、 主務大臣(ACTの場合は外務大臣)の認定を受けたものです。
「特定公益信託」のうち、指定されている信託目的を有するものであること、およびその目的に関し相当と認められる業績が持続できることについて主務大臣の認定を受け、かつ、その認定を受けた日の翌日から5年を経過していないものを「認定特定公益信託」といいます。(一般社団法人信託協会ウェブサイトより) ACTの場合は、「開発途上にある海外の地域に対する経済協力(技術協力を含む)に資する資金の贈与」という信託目的に該当します。
※「特定公益信託」とは、(1)信託終了時の信託財産が委託者に帰属しないこと、(2)信託契約は合意による終了ができないものであること、(3)出捐する財産が金銭に限られていること、等の一定の要件を満たすことが信託契約において明らかであり、信託銀行等が受託者であることについて、主務大臣の証明を受けた公益信託のことをいいます。
ACTが選ばれる理由⑥
経験豊かな事務局が、助成事業のモニタリング、寄付者への報告を行います
事務局では、寄付者のご意向(支援対象分野、対象国など)に沿った事業を調査・発掘します。運営委員会で助成事業が決定した後は、各助成事業の進捗状況をモニターし、事業の完了まで見届けます。そして、「年次報告書」の発行やウェブサイトの更新などを通して、事業の内容や成果を寄付者の皆様に報告します。このように、寄付者のご意向を大切にし、現地の人々との「橋渡し」の役割を果たしています。
過去35年以上の経験から、事務局では、成果をあげるための最大の要素は、援助スキームの柔軟性と長期間のコミットメントであると考えています。そこで、ACTでは、1事業につき平均3年間支援を継続し、毎年スタッフがそれぞれ現地を訪れて実施するモニタリングを通じて、実施体制やアプローチを確認します。必要に応じて、実施団体と改善に向けて協議するなどして、次につなげる柔軟性を持たせています。
現地との「橋渡し」を担うACTの事務局には次の3つの重要な能力を持つことが要請されます。
- 寄付者と協議し、適切な支援プログラムを提案する能力
- 現地国の問題やニーズを常に把握し、現地NGOが投入するリソース(資金、技術、物資、人材)を有効に活用する能力を備えているかを査定する能力
- 助成事業をモニターする過程あるいは完了後に、助成金が適正に使われ、成果をあげたかを確認し、評価する能力
このように、豊富な経験とスキルをもった事務局では、寄付者の皆様からお預かりしたご寄付金でより大きな成果をあげられるよう、助成事業の発掘から完了まで事業をサポートします。