マイクロファイナンスを通じた農村地域の雇用創出

事業実施団体名 農民の生計開発団体(Farmer Livelihood Development (FLD))
事業分野 農業の振興、社会開発、教育
実施地域 カンボジア コンポン・スプー州、プレア・ビフア州、シエム・リアップ州、オッダール・ミーンチェイ州
実施期間 2007年4月-2012年3月(2012年度実施中)
助成金額 計1,065万円(2011年度240万円、10年度265万円、09年度198万円、08年度212万円、07年度150万円)
[更新日付:2012年9月30日]

事業の背景

対象地域を2州から4州に拡大して農村地域の貯蓄・融資活動を推進

グループ会合に参加するコンポン・スプー州
の女性たち

カンボジアでは、2004年から07年にかけて10%を超える高いGDP成長率を記録しました。しかし、08年の世界経済危機の影響で、特に外国からの投資や輸出に依存する繊維・建設・観光産業が打撃を受け、約70の縫製工場が閉鎖し、5万人以上の工場労働者が解雇され、建設業においても1.5万人が失業したと言われています。こうした失業や収入の減少は農村地帯の貧困を加速させることになります。

実施団体は、2007-09年度の3年間で、コンポン・スプー州とプレア・ビフア州で貧しい農民の農業技術トレーニングと村ベースの貯蓄・融資活動の推進を行ってきました。第2フェーズして始まった2010年度には、それまでの経験と実績に基づき、北西部の2州(シエム・リアップ州、オッダール・ミーンチェイ州)に対象を拡大しました。同時に、過去にACTからの支援で組織化されたコンポン・スプー州とプレア・ビフア州の79グループ(1,190人)のうち、融資にアクセスできなかった425人を中心に、継続支援を行っています。

事業の目的

村落貯蓄・融資活動を通して、雇用の拡大をめざす

長期達成目標(5-10年後):
住民がよりよい生活を営むための収入を確保し、持続させる効果的手法であるマイクロファイナンス・サービスをより利用しやすくし、農村地域での雇用創出を促進する。

短期達成目標(1-4年後):
  • 住民がマイクロファイナンス・サービスにアクセスするため、「村落貯蓄・融資グループ」(VSLG)を通じて貯金活動を促進、資本形成を行う。
  • VSLGを通じて提供される、効果的で手ごろな融資を通じて、住民の雇用機会を拡大させる。
  • メンバーに持続的なサービスを提供するため、VSLGの組織能力を強化する。

*上記は第2フェーズ(新3年計画:2010-12年度)の事業目的


事業内容

グループ基金や農民ファンドからの融資を農民のビジネスに活用

1.4州で1,200人以上が貯蓄・融資活動に参加、預金額は32,000ドル以上に

挙手でグループのリーダーを決める女性
たち(オッダール・ミーンチェイ州コーク
スピアン村)


2011年12月現在、対象4州(コンポン・スプー、プレア・ビフア、シエム・リアップ、オッダール・ミーンチェイ)内の59グループが組織化され、1,241人(うち84%が女性)がメンバーとして参加しています。蓄積されたメンバーの預金額は、32,347ドル(262万円)にのぼります。

2.雇用機会の拡大
メンバーは、基本的なビジネス概念についてのトレーニングを受けた後、融資申請をし、審査に通ったメンバーが、融資を受けます。これまでに、583人が「グループ基金」(メンバーの貯金と返済利子からなる)から、「農民ファンド(Famer Fund)」(一部ACTからの助成金。実施団体が運営)から、539人が融資を受けています。融資額の使途は、農業(39%)、養豚(27%)、養鶏(18%)、小規模ビジネス(野菜栽培など、16%)など(いずれも2011年12月末時点)。

3.グループの能力強化
各地のグループ(VSLG)のリーダーを対象に、簡単な簿記、記録、グループ基金からメンバーへの融資する際の意思決定の各方法についての指導を行ったほか、農民基金チームメンバー(対象地域を担当するVSLGエージェントを含む)に対して、財政教育(財政目標の立て方、お金の管理方法、負債対資産、債務超過や債務不履行の危険性、貯蓄との比較、家計予算管理、貯蓄計画など)を実施しました。2011年度前半には、VSLGメンバー72人を対象に、小規模ビジネス計画、企業家としての自己評価、財務管理方法などについてのトレーニングを実施しました。
これらの取り組みは、グループ基金の健全な運営と効果的な融資を行うのに役立ちました。

関連リンク

ACT年次報告2010(p.11)
ACT年次報告2009(p.16)

基金名 吉川春壽記念基金(2009-11年)
安田・諏合・今野・喜種記念教育基金(2010-11年)
三原富士江記念基金(2011年)
山田伸明・倫子記念基金(2007-10年)
藤田德子記念基金(2007-09年)
一般基金(2010年)