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2014年11月18日

[モニタリング報告] 有機米の有機認証取得を支援する事業地を訪問(フィリピン)



ACT特別基金「アジア農業者支援基金」では、今年度からフィリピン・パナイ島イロイロ州パッシ市の5地域で有機米の有機認証取得をめざし、「内部品質管理システム」を構築する事業を支援しています(実施団体:農村改革・農村開発センター(CARRD))。10月末に現地を訪問した西島のレポートです。

有機米生産農家で有機農場検査人でもある
イシドロさん。「有機農業をやるためには
努力が必要です。有機農業に転換した理由、
健康、食料保全のためだし、世界の環境保全
にも貢献できる。後世に良い土地を残したい
です」と話してくれました。収穫直後の田んぼ
の前で。


CARRDは、2005年以降、農民の土地権利証の取得を支援してきましたが、2012年からは農民組織メンバー向けの有機農業技術研修などを開始し、現在は小規模農民グループ向けの有機認証を取得することを目指しています。対象農民グループに有機認証の水準を順守しているシステムがあることが条件となっており、すでに約180世帯の農地の検査が終わり、記録の作成と集計を行っています。CARRDでは、2015年3月までには有機米認証を取得したい考えです。

稲作農家のイシドロさんは、米とサトウキビのほか、0.25ヘクタールで有機の黒米を栽培しています。前回は、20袋の黒米を収穫し、主に自家消費用とし、残りは友人に販売したそうです。「天水農業なので年に2回しか収穫できませんが、体も農地も少し休めるからこのままでよいです。」と言っていました。

イシドロさんは「有機農場検査人」としても活躍しています。仲間の田んぼ一反(約991平方メートル/約10アール)ごとに、化学肥料を使っている農地との距離や有機肥料の使用状況についてなどを確認して記録し、必要に応じて農民に助言・指導します。「ときには数時間、山道を歩かなければならず、大変ですが、知識と経験を仲間
と共有して、助けられるので、喜んでやっています。」と話してくれました。

黒米の稲穂


他の農民からも、「有機肥料に変えて田んぼが水を含むようになった」「有機米にして収穫量が増えた」などの声があり、農民が実体験で有機農業の意義を感じていることがわかります。有機米栽培に移行しようとしている農民も多いそうですが、課題は、有機肥料をつくるのに手間がかかる割には、米が市場で安値でしか売れない一方で、スーパーで(有機認証を受けた)有機米は他の白米の倍以上の値段で販売されていることです。

CARRDの事務局長は、「有機認証が得られれば、対等に競争し、収入をあげられるようになる。さらに多くの農民が有機農業に転換するでしょう」と見込んでいます。CARRDは、すでに販売ルートを確保しており、今後の発展が楽しみな事業です。


20141118_4.JPG
有機農業検査人の記録用紙の一部。家族構成から田んぼ の状態などを記録し、ランクをつけ、コンピューター データベースに入力する。集計したデータを「フィリピン 有機認証センター」に提出する。この検査は3カ月に1度 行うそうです。 5年前に子どもたちを説得して、土地の4分の1を有機米に移行したというアメリタさん(写真左)。「肥料代が減ったし健康にも良いですが、大半は自家消費用です。残りの3分の1で化学肥料を使って米を生産し、販売しています」と話してくれました。(写真右から、CARRD事務局長、西島、CARRD農業専門家)

関連リンク

ACT特別基金「アジア農業者支援基金」について