ACT 公益信託アジア・コミュニティ・トラスト

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2018年6月22日

【開催報告】2017年度「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」助成事業報告会

Opening

 2018年6月4日(月)、公益信託アジア・コミュニティ・トラストの「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」インターンシップ報告会を開催しました。
 2017年度は日本の市民団体13団体が、中国、バングラデシュ、マレーシア、タイ、ベトナム等の留学生13名をインターンとして受け入れました。この報告会では、留学生と彼らをインターン生として受け入れた団体5組に、インターンシップで実施した活動や学んだことなどについて発表していただきました。発表団体と留学生、今年8月からインターンシップに参加する留学生、国際協力に関心がある方々など、約25人が参加しました。

「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」とは
 「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」は、2012年1月に設定されたACT特別基金「アジア留学生等支援基金」の助成プログラムとして2012年度から始まりました。アジアからの留学生をインターンとして受け入れ、体験学習の機会を提供する日本の民間非営利組織の事業を対象に、年間約25件(助成総額650万円前後)助成しています。
 2012年度から2017年度までの6年間に、アジア13ヶ国からの留学生111名が、70団体でインターンを経験しました(2018年2月末現在)。


活動報告

(特活)アート・ネットワーク・ジャパン (文化・芸術、国際協力)


指導担当者:武田侑子氏
インターン留学生:ゴ・ホウエン氏(中国出身、東洋大学)

ANJ1
 2000年に設立された(特活)アート・ネットワーク・ジャパン(略称、ANJ)は、「芸術の社会的な力の回復」と「芸術と社会をつなぐ」という理念のもと、舞台芸術の活性化と推進、次世代を担う才能の発掘、そして国内外における文化交流の促進に取り組んでいます。主な活動は毎年秋に1ヶ月間開催される国際的な舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー」の開催、「たちかわ創造舎」の企画・運営、さらに「としまアート夏まつり」などの様々なアートプロジェクトを立ち上げ、今後もアートを通して新たな交流の場の創造を推進しています。
ANJ2
 中国出身のゴさんは将来的にはイベント運営、プロモーションを行う仕事に就くことを考えており、ボランティアよりイベント企画・運営を本格的に体験できるインターンとしての活動を望み、ANJでのインターンシップに参加しました。
 ゴさんは8月~11月上旬の3ヶ月間、「フェスティバル/トーキョー17」開催に向けて、出演者来日に関わる必要書類やホテル周辺地図の作成や情報発信など、さまざまな準備作業にかかわりました。また同イベントで披露された、人間とサルをテーマにした都市生活者の心と体の繋がりを表す作品「Toky Toki Saru」 (トキトキサル)に関わるチラシ送付先リスト作成と発送作業、稽古場の設営、リハーサル実施などを補佐しました。
ANJ3

「Toky Toki Saru」本番中

 「インターンシップに参加するにあたり、私は『スポンジのように何ごとも吸収し、責任感を持って自ら積極的に行動する』という目標をたてました。このインターンに参加する前までは、制作、イベント運営について、ぼんやりしたイメージしか持っていませんでしたが、インターンをした3ヶ月間を通して、企画の最初から最後までの流れに関わることができ、大変勉強になりました。業務はすべて日本語でのやり取りで、最初は大変だったのですが、周りの方々に優しく教えていただき、コミュニケーション能力を向上させることができました。」と学んだことと今後の展望について語りました。

(特活)芸術家と子どもたち (まちづくり、社会教育、文化・芸術、子どもの健全育成)


指導担当者:吉川有花氏(コーディネーター)
インターン留学生:チョウ・シンイ氏(中国出身、東京学芸大学卒)

Children1
 (特活)芸術家と子どもたちは、東京都豊島区に拠点を置き、現代アーティストと、今の子どもたちが出会う「場づくり」に取り組んでいる団体です。主な活動は:①アーティストが小学校へ出かけ、先生と協力しながらワークショップ型の授業を実施するASIAS(=Artist's Studio In A Schoolエイジアス)、②ダンスや演劇、音楽などの分野で活動するプロの現代アーティストを都内の小中学校やホール・文化施設などに派遣し、ワークショップを行い、子どもたちが主役のオリジナル舞台作品を作り、発表するPKT(パフォーマンスキッズ・トーキョー)、および③2017年6月にオープンした子育て中の親子や家族が音楽やダンスを気軽に楽しみながらアートを通して交流するスペース「ぞうしがやこどもステーション」の運営です。
Children2
 東京学芸大学で美術教育を専攻していたチョウさんは、中国のSNSウェブサイトで本プログラムについて知り、専攻分野にぴったりな活動を行っている(特活)芸術家と子どもたちをインターン先として選び、2017年9月から2018年3月末まで、「ぞうしがやこどもステーション」を中心的な拠点にして、インターン活動を行いました。
Children3

ぞうしがや こどもステーションの
運営補助(えほんづくりワーク
ショップの道具を運ぶ姿)

 約半年間のインターンシップ期間中、チョウさんは、受入れ団体のウェブサイトの日本語から中国語への翻訳作業のほか、アート・ワークショップがある日は、会場の準備と片付け、受付補佐、写真・動画撮影、アンケート調査と入力、中国出身の親子たちの相談相手などを行いました。「ワークショップの全体的な運営方法を学びました。また、「芸術」は地域・親子をつなげる"手段" でもあることを改めて実感しました。芸術家たちとも触れ合うことで、彼らの才能はもちろん、自分のジャンルに専念し努力してきたことも分かり、芸術家に対する尊敬の念を新たにしました。NPOは利益のために存在しているのではなく、また、人々の心の中にも『利他の心』があるからこそ、こうした活動が大事だという思いをもちました」と、語りました。
 この4月から社会人になったチョウさんは、イベントやワークショップを企画・運営する仕事に就き、インターンシップで学んだことを活かしているそうです。「私たち留学生は森の中に閉じ込められている動物のようでしたが、このプログラムのおかげで、"森"から飛び出し、自分の専門の実践地に進むことができました。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べました。

(一社)プテラ (国際交流、子どもの健全育成)


指導担当者:武本幹雄(代表理事)
インターン生:サーカー・ムハンマド・セイエン氏(バングラデシュ出身、立命館アジア太平洋大学)

Ptera1
 (一社)プテラは、約90の国と地域からの留学生が集う大学がある大分に拠点を置き、その地域特性を活かして、留学生や子どもたちと一緒に県内18市町村の昔話を英語で読む活動"e-KAMISHIBAI"をはじめとした国際交流活動を行っています。e-KAMISHIBAIでは、留学生がタブレット端末を使って英語で大分の昔話を読んだり、留学生の国を紹介したり、遊びながら学んでいます。
 
Ptera2

「世界の昔話」の参加者と

 バングラデシュから来たサーカーさんは、立命館アジア太平洋大学でバブル後の日本経済などについて学んでいます。このプログラムには、日本の教育システムやビジネスマナーを学ぶとともに、大好きな子どもたちの英語の勉強をサポートしたいという思いから参加しました。サーカーさんは、タブレット端末で絵本を英語で読む活動に加え、後援を依頼するために大分市の教育委員会を訪問したり、案内チラシの配布協力を依頼するため、大分市内の小学校を訪問し、学校関係者と交渉するなど、e-KAMISHIBAIの運営にも積極的に携わりました。また、「World Folktale」(世界の昔話)という新企画も立ち上げ、母国の昔話を地域の子どもたちに紹介しました。
 
Ptera3
 サーカーさんは、「インターンシップを通して、時間管理、ビジネスマナー、対人的な意思疎通などのスキルを身に付けることができました。また、個人競争が少ない、みんなの前で質問をしない、心地よい場所にとどまるなど、日本の方々の一面を知ることができました」と学んだことについて話しました。「卒業後は、日本企業に就職し、資金を貯め、経済的な問題などで教育にアクセスできない世界の子どもたちに無償教育を提供したいです」と将来の夢を語りました。

(特活)日本地雷処理・復興支援センター(環境保全、災害救援・復興、国際協力、まちづくり)


指導担当者:堀江恵子氏(財務部)
インターン生: シンサックダ・ワランタイ氏(タイ出身、拓殖大学卒)
  ※本人の都合がつかず欠席しましたが、団体スタッフがインターン生の感想文を代読しました。

JDRAC1
 (特活)日本地雷処理・復興支援センター(略称、JDRAC)は、2003年に自衛隊OBが中心となり、自衛隊の東ティモール国連平和維持活動で使用した組立ハウスを有効活用するために現地で技術者を育成する事を目的として設立されました。その後「不発弾処理技術者養成事業」「自動車整備士養成事業」「自動車検査員養成事業」を実施し、防衛省「能力構築支援事業」として同じく東ティモールにて整備士教育を行ったほか、最近では「ベトナム・ラオス・カンボジア地雷不発弾現地調査」を2017年1月に行いました。
 
JDRAC2

皇居研修

 JDRACの活動にインターンとして参加したワランタイさんの出身国・タイは、2005年末の大地震による津波に続き、2012年4月にはマグニチュード4.3の地震(スマトラ島沖地震)があり、その影響でプーケットにも津波が発生する危険性が生じたほか、2014年5月6日にはタイ北部チェンライ県でマグニチュード6.0の大地震を経験しました。地震の恐ろしさ、被害の甚大さを身をもって体験した事から、ワランタイさんは、災害支援に始まり復興に至るまでの過程においてタイでは知識が十分でないことに問題意識を持ち、災害救援の経験豊富なJDRACでのインターンを志望しました。
JDRAC3

完了報告発表後JDRACスタッフと
記念写真

 ワランタイさんは15日間のインターンシップについて「JDRACの日本語サイトの翻訳を担当した。わたしの日本語力は中級レベルだから、専門性の高い内容を翻訳することはかなり難しかった。最初は緊張して恐れを覚えたが、自分の実力を証明したいので失敗しても、ストレスを感じても、最後まで頑張った。」「タイに帰国後は、タイに支社を置く日系企業で通訳として働きたいと考えているので、日本語と英語を使って活動をしたことは日本語上達の役に立った。また、ビジネスマナーも教えていただいた。例えば、丁寧な挨拶や依頼の仕方などだ。JDRACで貴重な経験を得ることができた。将来は、人々の感情をもっと理解するため、タイで働きながら大学院で心理学を研究したいと考えている。そして、いずれ、タイの災害庁でボランティア活動をするのがわたしの目標だ。その他にも、大学で学んだ知識や自分の経験を母国の人々に伝えたいと思う。」と、学んだことと将来展望を感想文で寄せてくださいました。

(一社)ピースボート災害ボランティアセンター(災害救援・復興)


指導担当者:合田茂広氏(理事)
インターン生:リン・シンフェイ ・トレイシー氏(マレーシア出身、九州大学)

PBV1
 (一社)ピースボート災害ボランティアセンター(略称、PBV)は、東日本大震災をきっかけに、それまで国際NGOピースボートが阪神・淡路大震災以降に培ってきた災害支援のノウハウを引き継いで設立した団体です。国内外の被災地での災害救援に加え、平時には将来の災害に備えた防災・減災に取り組んでいます。
PBV2
 インターンとして参加したリンさんは災害の少ない国マレーシアから来ており、災害が少ないからこそ、防災知識を身に付けたいという理由でPBVについて自ら調べ、希望しました。8~9月の21日間、インターンを行ったリンさんは、限られた期間でPBVの様々な活動に積極的に参加しました。「ピースボートオープンシップ(船内見学会)」では、見学会の補佐、「グローバルフェスティバル」でマレーシア・ブースの宣伝、イベント「しんじゅく防災フェスタ」では、チラシの配布準備、実行委員会の準備・参加を行ったほか、イベントプログラムでは英語での救命講習、中国語ワークショップ、子ども向けプログラムなどの準備と当日のテント設置、プログラム実行にも携わりました。1泊2日の「TOMODACHI災害復興
PBV1

東北被災地出身も多い
「TOMODACHIイニシアチブ
災害復興リーダーシップ
トレーニング」

リーダーシップトレーニングプログラム」では、自らプログラム内容計画、ホテル・食事手配、日程のアレンジ、進行役など、とても濃厚な時間を過ごしたそうです。
 インターンシップを通じて、「防災知識の他、自主性やチームワーク、リーダシップ、自信、イベント・プログラム企画関連スキルを身に付けることができましたし、大切な仲間もを得ることができました」と話してくださいました。




  以上の報告会の後、受入れ団体のスタッフやインターンを経験した留学生、今年8月にインターンシップを行う予定の留学生等の交流会が開かれました。会場を提供してくださった「日本映像翻訳アカデミー」の関係者にも厚く御礼申し上げます。
報告:アンガラ(プログラム担当)

ASIP2017groupphoto.JPG
発表してくださった皆さん、お疲れさまでした。報告会に参加した皆さん、ありがとうございました。