ACT 公益信託アジア・コミュニティ・トラスト

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2017年5月26日

【開催報告】ACT「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」
     2016年度助成事業報告会を開催しました


公益信託 アジア・コミュニティ・トラスト(ACT)特別基金「アジア留学生等支援基金」では、日本の大学・大学院に在籍するアジアからの留学生が日本の市民組織(非営利民間組織)でインターンを行う「アジア留学生インターン受入れ助成プログラム」を支援しており、これまでにアジア各国からの留学生99人が日本の市民組織66団体でインターンシップを経験しました(2012~16年度実績)。
2016年度は中国、モンゴル、インドネシア、カンボジア、タイ等からの留学生15名を15団体がインターンとして受け入れました。2017年5月25日、東京都新宿区の早稲田奉仕園にて、2016年度プログラムに参加した団体と留学生4組が実施内容と学びについて発表し、約25名の方々にご参加いただきました。

―活動報告―

(特活)ヒューマンライツ・ナウ (国際協力、人権擁護)


指導担当  : 有満 麻理さん(事務局スタッフ)
インターン生: トフシンバヤレ・ザヤーさん(モンゴル出身、法政大学)

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将来は子どもたちが笑顔でいられ
る世の中を創れるような仕事をし
たいと話すトフシンバヤレさん

(特活)ヒューマンライツ・ナウは、人権NGOや市民社会と連携し、世界の深刻な人権侵害を解決するため、国連等に働きかけるほか、日本の人権状況を国際スタンダードに近づけるための提言や活動を行っています。モンゴル出身のトフシンバヤレさんは、子どもの頃から児童労働に関心があったそうです。モンゴルでも児童労働が社会的課題としてあることから、彼女は将来的にそうした子どもたちを助ける支援者になりたいという思いを抱き、ヒューマンライツ・ナウでインターンを行いました。


トフシンバヤレさんは次のように報告してくれました。
「私は2017年11月19日に行われたイベント"世界子どもの日 チャリティーウォーク&ラン"の企画・運営に携わりました。当日はボランティア54名、イベント参加者は305名だったのでとても盛況した会となりました。イベントの企画・運営をとおして学んだことは、1つには学生と社会人との違いです。学生は与えられた(言われた)ことだけをすることが多いですが、社会人はアイディアを出したり、問題に直面した時には自分でどうすればよいか考えないといけません。インターンシップをとおして、責任をもって仕事を務めることを学ぶことができました。またヒューマンライツ・ナウでスタッフの方々と一緒にお仕事をさせ
              ていただいたことで、将来子どもたちみんなが笑顔でいられる世の中を創れるような仕事をしたいと思うようになりました。」


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ヒューマン・ライツ・ナウにてイベントの
準備。スタッフのみなさんと共に

また、「人権問題についてみなさんに知っていただくというのは難しいことではないかと思うのですが、活動に携わるにあたってどういうことが大切だと思いましたか」という質問に対して、トフシンバヤレさんは、「人権を守ることはとても大切なことなのに、社会ではそれに気づいていなかったり無関心だったりします。それを宣伝していくことが人権団体の大切な仕事ではないかと思うようになりました。もう1つ学んだことは、人権問題の解決は5年、10年と長期間にわたってこつこつ活動を続けることが大切だということです。ヒューマンライツ・ナウではインドで過酷な炭鉱労働に携わっている児童労働に対して調査・提言を行い、炭鉱の閉鎖につながったという実績があります。モンゴルでも同じような問題があるので、ここで学んだ長期にわたる活動を参考にしたいと思います。」と話してくれました。




(特活)奈良NPOセンター (まちづくり)


指導担当  : 反田 博俊さん(理事長)
インターン生: オウ・テイテイさん(中国出身、広島大学)

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中国で村おこしの概念を広く発信
していきたいと話すオウさん

(特活)奈良NPOセンターは、各都道府県にあるNPOの支援活動を主な業務とし、地方創生事業として、まちづくり、環境、防災、国際教育などにも取り組んでいる団体です。その他、行政・企業・NPOとの共同事業を実施したり、高齢化に伴う次世代の人材育成という観点から、学生のインターンの受け入れも行っています。今回、インターンシップをさせていただいたオウさんはまちづくりに興味があるということでしたので、奈良に39市町村あるなかで最も人口が少ない(424人)「野迫川村」(のせがわむら)で行われているプロジェクトに参加してもらいました。


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古都奈良の観光体験について、外
国人観光客を対象にアンケート調
査をしているところ

オウさん「私がこのインターンを希望した理由は、より深く日本人と触れ合い、現場での実際の体験から日本社会および日本文化への理解を深めたかったからです。去年7月の自主研修から今年1月まで合計19日間、インターンシップをさせていただきました。活動内容は、①野迫川村で行われた「アマゴ親子釣り大会」や天理市大和川で行われた「親子源流体験ツアー」での参加者の誘導や身の安全の確保指導、活動現場の写真撮影、②大和川の水質チェック、③8月に大阪で行われた「読売TV24時間テレビ 愛は地球を救う」イベントでの野迫川村のPR、④ホテル「のせ川」での研修、⑤「野迫川村アマゴ釣り大会」への参加、⑥野迫川村の道普請(みちぶしん。道路修繕・建築)活動への参加、⑦「野迫川村道普請シンポジウム」への参加です。」


インターンで学んだこととして次のように話してくれました。
「野迫川村における村おこしの活動内容が大変勉強になりました。地元の自然資源を活用したアマゴ釣り大会、24時間テレビでの宣伝、熊野古道の道普請およびシンポジウムなど、様々な手段を通じて外に発信し、より多くの人々に村のことを知ってもらうことが、村の活性化に大きく関わっていることを知りました。将来、私は中国で村おこしの考え方を発信していきたいと思っています。中国の農村部では、「留守児童」の問題はますます深刻化してきています。「留守児童」とは、両親が二人とも出稼ぎして、おじいさん、おばあさんに預けられた子どもたちのことを指します。出稼ぎだけではなく、地元にいながらも豊かな人               生が実現できるという、野迫川村で見聞した村おこしの理念を発信していきたいと
              思います。そして、中国と日本との懸け橋になりたいと思っています。」

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熊野古道の道普請を地元の方々と
共に




(特活)「環境・持続社会」研究センター(国際協力、環境保全)


指導担当  : 足立 治郎さん(事務局長)
インターン生: コウ・バイさん(中国出身、明治大学)

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コウさんは大学で中小企業連携に
よる製品開発や環境問題の解決に
ついて研究している

(特活)「環境・持続社会」研究センターは、公正で持続可能な社会の実現に向け、幅広い市民と専門家の参加・協力のもと、調査研究・政策提言・情報提供等を行っています。小さい頃、両親から「力の限り他人を助け、価値あることを行いなさい」と言われて育ってきたインターン生のコウさんは、環境問題に大きな関心を寄せており、将来はグローバル人材として、中国・日本・世界の社会問題解決等に貢献したいと考えています。今回、昨年8月から今年3月までの8カ月間、インターン生として「環境・持続社会」研究センター(JACSES)で研修を受けさせていただきました。


コウさんは活動内容と、活動をとおして得たことを次のように話してくれました。
「私は主に3つのことに携わりました。①持続可能な開発目標(SDGs)に関連した「気候変動・中国/日本の国際環境協力」等に関する調査研究・情報/提言発信、②イベント開催補助、③地球温暖化防止に大きな功績があり、環境大臣賞を獲得した企業事例の調査・情報整理です。これらの調査研究を通し、SDGsや気候変動問題における国際と日本国内の対応動向がより詳しく分かるようになりました。」


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COP23*に向けての提言書の翻訳を行う
コウさん。インターン終了後もJACSES
に関わり続けるつもりだ
* COP23:国連気候変動枠組み条約第23回
 締約国会議の略。2017年11月にドイツ・
 ボンで開催予定(議長国はフィジー)

さらに、「インターンをとおして学んだことは、SDGs等について調査・まとめを行うことによって、情報収集・整理能力が鍛えられ、視野や知識が広がり、地球温暖化防止等の環境保護に関することがより詳しく理解できるようになったことです。メールの書き方等も一から教えていただき、社会人として不可欠なスキルを学びました。また、改めて、日本は予防的な環境保護を重視していると感じました。中国でもJACSESのように、政府や民間企業に調査研究の結果得たさまざまな情報を発信する団体が増えることが大切だと感じています。情報発信が環境問題の解決に役立つ1つの大切な方法であると思いますし、私も将来、足立さんのように環境保護に取り組むNGOを立ち上げたいと思っています。」と話してくれました。



(特活)e-Education (国際協力、社会教育)


指導担当  : 薄井 大地さん(事務局長)
インターン生: ウィジャヤ・シンディさん(インドネシア出身、中央大学)

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インドネシア第2の都市スラバヤ
出身のウィジャヤさん。物乞いを
する人たちが多いと話した

(特活)e-Educationは、高等教育を受けたくても予備校に通えず受けられない途上国の子どもたちを対象に、DVDを用いた映像教育を広める活動を行っています。インドネシア出身のウィジャヤさんは、大学1年生の時にカンボジアでの教育調査に関わり、NPO団体の活動に興味を持ち始めました。カンボジア人が日本に留学できる機会はとても少ないので、自分が日本で学んでくることを母国のみんなと共有したいと思い、今回e-Educationでのインターンシップに参加しました。


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海外プロジェクト担当インターン生の
事前集合研修にて

ウィジャヤさんは活動内容とそこから得たことや気づきを次のように話してくれました。
「活動内容は、①インドネシアでのプロジェクト担当として現地に赴く日本人大学生の渡航事前準備を行うこと、②海外プロジェクト担当インターン生の事前集合研修補助、③ドキュメンタリー上映会の企画(インドネシア人学生の来日準備、会場の予約、企画書の作成、通訳のサポート)でした。このインターンをとおして、まず日本のビジネスの場におけるマナーを学ぶことができましたし、教育の世界における課題-すなわち、教育は教える側も変わらなければならないし、教えるとは単純なことではないということを感じました。また、映像授業はアイディアと工夫次第で都市部と農村部の教育格差への打開策となりうるということも実感しました。」


「インターンを通じて発見した日本の姿は、日本の若者がNPO団体に積極的に参加する姿勢です。日本の大学生が1年間休学してボランティア活動に参加する姿に啓発されました。また、企業だけでなく個人でもそういった活動を支援したい人たちがたくさんいることを知りました。これはすばらしいことだと思います。将来は一人の社会人として、より多くの人がNPO団体に接点を持ってもらえるような活動に携わっていきたいと考えています。また、先進国から発展途上国への一方的な支援だけでなく、双方向で理解を深められる場または活動に関わりたいとも考えています。」



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参加してくださった皆さん。
インターンシップを受け入れてくださった団体のみなさん、インターン生のみなさん、ありがとうございました!
これからインターンをするみなさん、頑張ってください。


※ACT事務局ではインターンを希望するアジアからの留学生一覧を準備し、受入れを希望する団体に情報を提供するとともに、受入れを希望する団体の情報をインターン希望の留学生に提供し、希望者を募るマッチング活動を行っています。